こどものにわのプログラムは、シンプルに“楽しい”と思えることを基本にしています。
まず1つは、やってみなくてはわからない知的好奇心が引き出せるような内容です。「なんだろう?」「どうなるんだろう?」「さわってみたい!」「やってみたい!」と素直に思えるワクワクとドキドキ。
それと同様にもう1つは、「こわれる」「こぼれる」「つぶれる」「よごれる」など、思い通りにいかない事や失敗と認識されてしまう要素を過程として受け入れる(取り入れる)内容です。人が何かを作り出していく事は決して簡単な事ではありません。総じて「こわれる」こともまた自然な現象のひとつと考えています。こわれたらどうしよう?のワクワクとドキドキの先にある予測不可能な結果や理解を越えた変化への出会いは、このこどもたちを突き動かしてる本能を大切にすることから生まれていくのです。
この知的好奇心と本能が、こどものにわの“楽しい”ということの本質です。二つの要素を併せ持った“楽しい”を積み重ねながら、砂場のように、つくっては変わり、またつくっては変わるこどもたちの世界は、年齢や能力に応じた様々な思いやねらい、意図があふれ、創意工夫へと発展していくのです。“楽しい”と“創意”がこどもたちに物事に夢中になることの喜びを自然と教えてくれるのです。
現代社会では、こどもだけで成立する遊び場という環境が少なくなってきています。大人の目の届く遊び場はたくさんありますが、本来、遊びは大人の目から少しだけ離れた隙間で、この“楽しい”と“創意”に満ちているものです。すでにある「枠」を少しだけ外したところから、自らの体験によって「枠」をつくっていくこと。
こどものにわは、これからも、さまざまなこどもたちと、さまざまな場所で、さまざまな環境の中で出会っていきたいと思います。